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社会保険の知識

厚生(国民)年金の知識

年金の種類

年金の種類は、国民年金、厚生年金、各種共済年金があります。

国民年金の被保険者には3つの種類があります。
第1号被保険者
20歳以上60歳未満で日本国内に住所を有する者で、
下記の第2号及び第3号被保険者に該当しない者。
自営業者・学生などが該当します。
第2号被保険者
70歳未満の厚生年金の被保険者や各種共済組合の組合員・加入者。
但し、65歳以上で厚生年金の被保険者の人でも老齢基礎年金の受給資格期間を
満たしている人は第2号被保険者とされません。
サラリーマン・OL・公務員などが該当します。
第3号被保険者
第2号被保険者の被扶養配偶者で20歳以上60歳未満の者
但し、サラリーマンの妻でも一定以上の年収がある人は被扶養者と認定されない場合が
ありますので、この場合は第3号被保険者とされません。
サラリーマンや公務員の妻などが該当します。
2階建ての年金制度とは、次のようになります。

具体的に国民年金の被保険者が加入している年金制度を、被保険者別にみていきましょう。

第1号被保険者の場合 国民年金(基礎年金) 1階建て
第2号被保険者の場合 厚生年金・各種共済年金
国民年金(基礎年金)
2階建て
1階建て
第3号被保険者の場合 国民年金(基礎年金) 1階建て
厚生年金の被保険者

厚生年金の被保険者は厚生年金の適用事業所で働く70歳未満の者です。

各種共済年金の被保険者

国家公務員、地方公務員や学校の教職員などが加入しています。
国家公務員共済、地方公務員共済、私立学校教職員共済があります。

保険料について
国民年金の保険料(平成19年度)
  月 額 14,100円
付加保険料 月 額    400円

前払い制度もあり、少し割り引かれます。
国民年金の場合、今後、毎年280円×保険料改定率が引上げられます。

厚生年金の保険料

厚生年金の被保険者資格(国民年金でいうところの第2号被保険者)の
資格を取得した日の属する月から資格を喪失した日の属する月の
前月までの各月につき負担します。
(月末の1日前に退職すると、当月の保険料はかかりません。例えば、10月30日退職の場合)

● 毎月の給料の場合
  (4・5・6月の給与の平均)
標準報酬月額 × 保険料率
● 賞与の場合 賞与額 × 保険料率

平成16年改正により段階的に保険料(保険料率)が引上げられることとなりました。
厚生年金の場合 毎年9月から0.354%づつ保険料率が引上げられます。
そして、平成29年の9月以降は18.3%で固定化されます。

保険料率(平成19年9月以降平成20年8月まで)は、
149.96/1000 事業主と被保険者が折半負担します。

老齢基礎年金の受給資格要件
  1. 65歳に達していること
  2. 原則25年以上の加入期間があること
    25 年以上というのは、次の各期間を合算した期間が 25 年以上ということです。

保険料納付済期間 + 免除期間 + 合算対象期間 ≧ 25年
                           (カラ期間)

保険料納付済期間とは
第1号被保険者の場合
昭和36年4月1日以後保険料を納付した期間
第2号被保険者の場合
昭和36年4月1日以後厚生年金、共済年金の被保険者として保険料を納付した
20歳以上60歳未満の期間
第3号被保険者の場合
昭和61年4月1日以後の第3号被保険者としての期間
保険料免除期間とは

法定免除と申請免除があり、申請免除には全額免除期間と半額免除期間があります。
免除期間は、全額免除 + 半額免除の期間です。
しかも、平成18年7月から、国民年金保険料3/4免除と1/4免除が開始されますので、
平成18年7月以降その期間がある人については、その期間もが含まれることになります。
 
認定基準は次の通りです。

1.  全額免除
・ (扶養親族数+1) × 35万円 + 22万円
・ 障害者または寡婦の方で125万円
2.  3/4免除
・ 78万円 + 48万円 × (老人扶養親族数) + 63万円 ×(特定扶養親族数) + 38万円 ×(一般扶養親族数) + 各種控除
・ 障害者または寡婦の方で125万円 + 各種控除
    
3.  半額免除
・118万円 + 48万円 × (老人扶養親族数) + 63万円 ×(特定扶養親族数) + 38万円 ×(一般扶養親族数) + 各種控除
・ 障害者または寡婦の方で125万円 + 各種控除
4.  1/4免除
・158万円 + 48万円 × (老人扶養親族数) + 63万円 ×(特定扶養親族数) + 38万円 ×(一般扶養親族数) + 各種控除
 下記の場合は、所得が基準を超えていても、上記項目1〜4の免除申請が可能です。
   ・生活保護法による生活扶助以外の扶助または特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法
   律による特別障害給付金を受けている場合
   ・申請のあった日の属する年度または前年度において
   1.震災・風水害・火災その他これらに類する災害により、被害金額が財産のおおむね2分の1以上である
    損害(保険金、損害賠償金を受けたときはその金額を除く)を受けたとき
   2.失業等により保険料を納付することを困難であると認められるとき
   3.事業休止または廃止により厚生労働省が実施する離職者支援貸付制度による貸付金の交付を受けた
    とき
受給資格は、25年必要です。

受給資格期間の短縮には3パターンあります。

  1. 昭和5年4月1日以前生まれの人で、保険料納付済期間、保険料免除期間及び
    合算対象期間を合計した期間が21年〜24年ある人

    大正15年4月2日から昭和2年4月1日の間に生まれの人  21年
    昭和 2年4月2日から昭和3年4月1日の間に生まれた人  22年
    昭和 3年4月2日から昭和4年4月1日の間に生まれた人  23年
    昭和 4年4月2日から昭和5年4月1日の間に生まれた人  24年
  2. 昭和31年4月1日以前生まれの人で、被用者年金(厚生年金・各種共済年金)の
    加入期間が20年から24年ある人

    昭和27年4月1日以前生まれの人               20年
    昭和27年4月2日から昭和28年4月1日以前生まれの人 21年
    昭和28年4月2日から昭和29年4月1日以前生まれの人 22年
    昭和29年4月2日から昭和30年4月1日以前生まれの人 23年
    昭和30年4月2日から昭和31年4月1日以前生まれの人 24年

昭和26年4月1日以前生まれの方で次のAもしくはBに該当する
厚生年金の期間が15年から19年ある人

   A・ 40歳(女性は35歳)以後の厚生年金の被保険者期間(このうち7年6ヵ月以上は第4種被保険者
     または船員任意継続被保険者以外の期間であることが必要)
   B・ 35歳以後厚生年金の第3種被保険者もしくは船員任意継続被保険者としての期間(このうち10年
     以上が船員任意継続被保険者以外の期間であることが必要)
   昭和22年4月1日以前生まれの方               15年
   昭和22年4月2日から昭和23年4月1日以前生まれの人 16年
   昭和23年4月2日から昭和24年4月1日以前生まれの人 17年
   昭和24年4月2日から昭和25年4月1日以前生まれの人 18年
   昭和25年4月2日から昭和26年4圧1日以前生まれの人 19年

ここで注意しなければならないことは、(2)は厚生年金・共済年金、
(3)は厚生年金の被保険者としての期間であるということです。

万が一、被保険者期間が25年に達しない場合でも
  • 合算対象期間(カラ期間)があるかどうか調べる。
  • 任意加入制度を利用する。
    (国民年金では60歳から65歳まで、生年月日によっては70歳まで加入できますし、
    厚生年金は70歳まで強制被保険者とされます。)
    受給資格の要件を満たさなければ年金は1円も受給できません。
老齢基礎年金額の計算

原則的な老齢基礎年金の額の計算だと、
平成19年度の老齢基礎年金の満額は年額792,100円です。
これはあくまでも、20歳から60歳の40年間全て保険料を納めた方が65歳から受給できる額です。
40年(480月)を少しでも下回るとその分減額されます。

しかし、ここでも経過措置がありまして、国民年金制度発足時点(昭和36年4月1日)で
20歳以上であった方は、それ以降(60歳まで)保険料を納付しても40年に
満たないことになります。制度の都合で40年間支払うことができなかったのに
満額受給できないのはかわいそうだということで「加入可能年数(月数)」を設け、
生年月日によりその年数(月数)納付すれば満額受給できるように配慮しました。

大正15.4.2 〜 昭和 2.4.1 25年
昭和 2.4.2 〜 昭和 3.4.1 26年
昭和 3.4.2 〜 昭和 4.4.1 27年
昭和 4.4.2 〜 昭和 5.4.1 28年
昭和 5.4.2 〜 昭和 6.4.1 29年
昭和 6.4.2 〜 昭和 7.4.1 30年
昭和 7.4.2 〜 昭和 8.4.1 31年
昭和 8.4.2 〜 昭和 9.4.1 32年
昭和 9.4.2 〜 昭和10.4.1 33年
昭和10.4.2 〜 昭和11.4.1 34年
昭和11.4.2 〜 昭和12.4.1 35年
昭和12.4.2 〜 昭和13.4.1 36年
昭和13.4.2 〜 昭和14.4.1 37年
昭和14.4.2 〜 昭和15.4.1 38年
昭和15.4.2 〜 昭和16.4.1 39年
老齢厚生年金
60歳代前半の老齢厚生年金

旧法(改正前)の老齢厚生年金は60歳からの支給、老齢基礎年金は65歳支給だったのです。
昭和61年基礎年金導入・65歳支給を受け、平成6年・平成12年改正により特別に
支給されていた特別支給の老齢厚生年金の見直し(受給年齢の引き上げ)が行われることとなりました。

しかし、急激に受給開始年齢を引き上げることはできないので、
平成6年・12年のそれぞれの改正で生年月日により段階的に引き上げる方法がとられました。
今現在はその経過措置の真っ只中です。

「60歳から報酬比例+定額部分」これが旧法の老齢厚生年金の形でした。
もちろん、旧法は基礎年金がありませんでしたので、65歳以降も同じ形で支給されていました。
経過措置のため、60歳代前半の老齢厚生年金の支給開始年齢は、生年月日により次のようになりました。

男性:昭和16年4月1日以前生
女性:昭和21年4月1日以前生
60歳 報酬比例部分、 及び60歳 定額部分
男性:昭和16年4月2日〜昭和18年4月1日
女性:昭和21年4月2日〜昭和23年4月1日
60歳 報酬比例部分、 及び61歳 定額部分
男性:昭和18年4月2日〜昭和20年4月1日
女性:昭和23年4月2日〜昭和25年4月1日
60歳 報酬比例部分、 及び62歳 定額部分
男性:昭和20年4月2日〜昭和22年4月1日
女性:昭和25年4月2日〜昭和27年4月1日
60歳 報酬比例部分、 及び63歳 定額部分
男性:昭和22年4月2日〜昭和24年4月1日
女性:昭和27年4月2日〜昭和29年4月1日
60歳 報酬比例部分、 及び64歳 定額部分
男性:昭和24年4月2日〜昭和28年4月1日
女性:昭和29年4月2日〜昭和33年4月1日
60歳 報酬比例部分、 定額部分支給なし
男性:昭和28年4月2日〜昭和30年4月1日
女性:昭和33年4月2日〜昭和35年4月1日
61歳 報酬比例部分、 定額部分支給なし
男性:昭和30年4月2日〜昭和32年4月1日
女性:昭和35年4月2日〜昭和37年4月1日
62歳 報酬比例部分、 定額部分支給なし
男性:昭和32年4月2日〜昭和34年4月1日
女性:昭和37年4月2日〜昭和39年4月1日
63歳 報酬比例部分、 定額部分支給なし
男性:昭和34年4月2日〜昭和36年4月1日
女性:昭和39年4月2日〜昭和41年4月1日
64歳 報酬比例部分、 定額部分支給なし
男性:昭和36年4月2日以降生
女性:昭和41年4月2日以降生
経過措置終了

経過措置終了で、男女ともに65歳より老齢厚生年金、老齢基礎年金の受給となる。

報酬比例部分と定額部分を合わせて特別支給の老齢厚生年金といいます。
現法律上は老齢厚生年金の受給開始年齢は65歳です。特別に経過措置として受給できるので特別支給の老齢厚生年金なのです。
ですから、65歳以降の老齢厚生年金とは受給要件が少し違います。

60歳代前半の年金(部分年金と特別支給の老齢厚生年金)受給要件
  1. 60歳以上である。
  2. 厚生年金の被保険者期間が1年以上ある。
  3. 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている。
対比して、65歳以降の老齢厚生年金の受給要件
  1. 65歳に達している。
  2. 厚生年金の被保険者期間が1ヶ月以上ある。
  3. 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている。
60歳になる前に老齢厚生年金を受給出来る人(特例)
  1. 坑内員・船員の期間がある人
    老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている人で、いずれかの期間
    もしくは両方の期間を合わせて15年以上ある方。
    坑内員・船員の人の
    生年月日
    受給開始年齢
    S.21.4.1 以前生
    55 歳
    S.21.4.2  〜  S.23.4.1
    56 歳
    S.23.4.2  〜  S.25.4.1
    57 歳
    S.25.4.2  〜  S.27.4.1
    58 歳
    S.27.4.2  〜  S.29.4.1
    59 歳
    S.29.4.2  〜  S.33.4.1
    60 歳
    S.33.4.2  〜  S.35.4.1
    61 歳
    S.35.4.2  〜  S.37.4.1
    62 歳
    S.37.4.2  〜  S.39.4.1
    63 歳
    S.39.4.2  〜  S.41.4.1
    64 歳
  2. 女性の支給開始年齢の特例
    下の表の生年月日に該当する女性で、右欄の年齢に到達するまでに厚生年金の加入期間を20年(中高齢の特例に該当する場合は15年〜19年)を満たした場合。(開始年齢以後に加入期間を満たした場合はそのときから)
    女性の生年月日 受給開始年齢
          〜  S. 7.4.1
    55 歳
    S. 7.4.2  〜  S. 9.4.1
    56 歳
    S. 9.4.2  〜  S.11.4.1
    57 歳
    S.11.4.2  〜  S.13.4.1
    58 歳
    S.13.4.2  〜  S.15.4.1
    59 歳
    S.15.4.2  〜
    60 歳

60歳以上で被保険者資格を喪失し、厚生年金保険の障害等級3級以上の状態にある人、
または被保険者期間が44年以上ある長期加入者の場合は、本人の請求により下の表の生年月日の区分によりそれぞれの支給開始年齢から報酬比例+定額部分(特別支給の老齢厚生年金)を
受給することができます。

生年月日 受給開始年齢 生年月日
男性 女性
S.28.4.1 以前 60 歳 S.33.4.1 以前
S.28.4.2 〜 S.30.4.1 61 歳 S.33.4.2 〜 S.35.4.1
S.30.4.2 〜 S.32.4.1 62 歳 S.35.4.2 〜 S.37.4.1
S.32.4.2 〜 S.34.4.1 63 歳 S.37.4.2 〜 S.39.4.1
S.34.4.2 〜 S.36.4.1 64 歳 S.39.4.2 〜 S.41.4.1

60歳代前半に受給できる老齢厚生年金には「部分年金」と「特別支給 の老齢厚生年金」・(要件が合えば)「加給年金」があります。ここではそれぞれの額の計算についてみていきます。
「部分年金」と「特別支給の老厚」の報酬比例部分の額は同じになります。

額についても生年月日により乗ずる係数が違い、また平成15年4月からの総報酬制導入により平成15年3月以前と平成15年4月以降と分けて計算しなければならなくなりました。

部分年金及び報酬比例部分の計算

平成12年4月より給付乗率が5%適正化(引き下げ)が行われました。
それにより、従前の給付乗率で計算した額よりも低くなる人がおられますので、
従前額保障ということで新しい給付乗率で計算した額が従前の給付乗率で
計算した額よりも低くなる人については従前の計算式を使ってよいことになっています。

基本的な計算

下記の (ア) 及び (イ) の計算式で算出した額のうち大きい額が報酬比例部分になります。
なお、7.125の給付乗率は生年月日に応じて9.5/1000〜7.125/1000の範囲で読み替える経過措置が設けられています。

(ア)

{(平均標準報酬月額(平成12年再評価)×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数) +(平均標準報酬額(平成12年再評価)×5.481/1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数)} × 0.985(0.988-0.003)(平成18年度スライド率)

(イ)

{(平均標準報酬月額(平成6年再評価)×7.500/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数) +
(平均標準報酬額(平成6年再評価)×5.769/1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数)} × 1.031×0.985(0.988-0.003)(平成18年度物価スライド)

定額部分の計算

(1,676円×生年月日による率)×被保険者の月数(480月を限度)
       × 0.985(0.988-0.003)(平成18年度物価スライド)

生年月日による率は、1.875〜1.000の範囲で読み替える。

65歳からの老齢厚生年金

65歳から2階建ての受給が始まるわけです。
60歳前半で受給していた「報酬比例部分」は、老齢厚生年金に該当し、
60歳前半で受給していた「定額部分」は、老齢基礎年金に該当します。
又、「経過的加算」が支給される場合があります。
これは、「定額部分」には老齢基礎年金の額に反映されていない期間も含まれ、(20歳前の厚生年金の期間等)、国民年金法ができる前の期間(昭和36年4月までの期間)も含まれた期間で計算されています。
よって、人によっては老齢基礎年金よりも定額部分の額のほうが多い方がおられます。そういう方は65歳になって年金額が減ってしまうので、老齢基礎年金の額を補う意味もこめて「経過的加算」として支給しているわけです。
名前の通り経過的に加算しているわけで、いずれはなくなります。

経過的加算の計算方法

経過的加算額 =
1,676円 × 生年月日による乗率 × 被保険者期間の月数(480月限度) × 0.985 - 792,100円  ×
昭和36年4月以降の20歳以上60歳未満の厚生年金の被保険者月数
             480月(加入可能年数×12)

平成17年4月より、被保険者の月数の限度が480月に改正されました。

在職老齢年金

働いていても老齢の年金は受給できます。但し、受給要件は満たす必要はあります。
それに、働いてもらう給料の額と年金の受給額の合算額により、
年金額の一部が停止されるしくみになっています。
ですから、給料によっては、年金が全額停止ということもあり得ます。

平成14年4月より厚生年金の被保険者が拡大され、70歳未満のものとなりましたので、
在職老齢年金も65歳までのものと65歳〜70歳までのものにわけられ、
60歳代後半のしくみが新たに創設されました。
さらに付け加えて、平成17年4月より在職老齢年金が見直されました。
そして、平成19年4月より70歳以上の方にも適用される在職老齢年金制度が創設されます。

60歳代前半の在職老齢年金
  • 基本月額+総報酬月額相当額の合計額が28万円以下のとき
    この場合は、平成17年4月より2割カットが廃止されたことにより、年金額の支給停止はありません。
  • 基本月額+総報酬月額相当額の合計額が28万円超のとき
    それぞれの額により以下の表のようになります。
    基本月額 総報酬月額相当額 停止基準額(年額)
    28 万円以下 48 万円以下 {(総報酬月額相当額+基本月額− 28万円) ×1/2 } ×12
    48 万円超 {( 48万円+基本月額− 28万円) ×1/2 −(総報酬月額相当額− 48万円) }×12
    28 万円超 48 万円以下 総報酬月額相当額 ×1/2 ) ×12
    48 万円超 {( 48万円 ×1/2 )-(総報酬月額相当額-48 万円) }×12
60歳代後半の在職老齢年金

対象となるのは昭和12年4月2日以降に生まれた人(平成14年4月1日以降に老齢厚生年金の
受給権を取得した人)となります。
仕組み自体は60歳代前半の在老とよく似ているのですが、
一部停止の対象が老齢厚生年金のみで、老齢基礎年金・経過的加算は全額支給されます。
又、加給年金の扱いは60歳代前半の在老と同じです。

  • 総報酬月額相当額+老齢厚生年金の月額が48万円以下のとき
    老齢厚生年金は全額受給できます。(停止ナシ)
  • 総報酬月額相当額+老齢厚生年金の月額が48万円超のとき

停止基準額(年額)
={(総報酬月額相当額+老齢厚生年金の月額−48万円)×1/2}×12

すなわち、標準報酬月額と老齢厚生年金の月額の合計額の48万円を
超えた部分の1/2が支給停止となります。

70歳以上の在職老齢年金

平成19年4月より70歳以上の年金受給者で適用事業所で働かれる人を対象に
在職老齢年金の制度が新たに創設されます。
ただし、対象になる方は、平成19年4月1日以降に70歳に達する人です。(昭和12年4月2日以後生まれ)

停止の算式は、「60歳代後半の在職老齢年金」と同様です。
停止の対象は、老齢厚生年金のみであり、70歳以上は被保険者ではありませんので、
保険料負担はありません。

70歳以上は被保険者ではありませんので、
その人が受け取られる給料及び賞与の額により該当すると思われる
「標準報酬月額相当額」・「標準賞与額相当額」により「総報酬月額相当額」を計算し、
60歳代後半のしくみにあてはめます。

加給年金と振替加算

「加給年金」は旧制度に任意加入となっていた厚生年金等の被保険者の妻が65歳に老齢の給付を受けられないことがあり得るため、その配偶者の老齢厚生年金に加給年金を付けることでその世帯の受給できる年金額を増やそうとするのが目的でした。

しかし、新法では厚生年金等の被保険者の妻も(第3号被保険者として)国民年金に強制加入し、65歳より老齢基礎年金を受給するようになります。
その為、夫の老齢厚生年金に付けられていた加給年金を妻の老齢基礎年金の受給開始に合わせてストップすることにしたのです。

しかし、新法施行時(昭和61年4月1日)に20歳以上の人は老齢基礎年金の
満額を受給することはできません。(40年加入できないので)
それはどうかということで、振替加算というものを
昭和41年4月1日以前生の方に限り支給するということになりました。
よって、振替加算の額は生年月日により段階的減らし、
昭和41年4月2日以降生の人が65歳になるころに消滅します。

加給年金の受給要件
  1. 厚生年金の被保険者期間が20年以上
    (中高齢の特例に該当する方は15年〜19年)
  2. 老齢厚生年金(または特別支給の老厚)の受給権を取得した当時、その人によって生計を
    維持していた65歳未満の配偶者または18歳に達した後最初の3月31日までにある子等がいる
  3. 配偶者等が将来にわたり(概ね5年)850万円以上の収入があると認められる場合は
    生計維持関係が認められない。
振替加算の受給要件

大前提:夫婦ともに大正15年4月2日以降生であること

  1. 老齢基礎年金の受給権者(大正15年4月2日〜昭和41年4月1日生)
  2. 65歳に達した日において次のいずれかに該当する配偶者に生計を維持されている
    • 老齢厚生年金または退職共済年金(いずれも加入期間が20年以上)を受給している配偶者
    • 障害等級の1級または2級の障害厚生年金または障害共済年金を受給している配偶者
配偶者加給年金が停止されるとき

加算対象になっている配偶者が次の給付を受けるときはその間停止されます。

  1. 被保険者期間が20年以上(中高齢の特例の場合は15年〜19年)の
    老齢厚生年金または20年以上の退職共済年金を受給できるとき
  2. 障害基礎年金・障害厚生年金または障害共済年金を受給できるとき
  3. 旧制度の老齢または障害の年金をうけるとき
振替加算が行われないとき
  1. 加給年金の加算対象となっていた配偶者が被保険者期間20年以上(中高齢の特例の場合は
    15年〜19年)の老齢厚生年金または加入期間20年以上の退職共済年金を受給できる場合、
    振替加算は行われない。
  2. 加算対象の配偶者が障害厚生年金等障害の給付を受給できるとき、振替加算は停止される。
  3. 加算対象の配偶者が旧制度対象者である場合、振替加算は行われない。
加給年金の額(平成19年度価格)

老齢厚生年金の場合はその対象が配偶者だけではなく、
子(18歳に達した後最初の3月31日までにある子または障害等級1・2級に該当する
20歳未満の子)も対象となります。

配偶者 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  227,900円+配偶者特別加算(老齢厚生年金対象者のみ)
子のうち2人までは1人につき ・・・  227,900円
子のうち3人目からは1人につき・・・ 75,900円

振替加算の額(平成19年度価格)

227,900円×受給権者の生年月日に応じた率

配偶者特別加算

配偶者が加給年金の加算対象者となっている場合の老齢厚生年金・退職共済年金には受給権者の生年月日に応じ配偶者特別加算が加算される。

 生年月日  配偶者特別加算額
 S. 9.4.2 〜 S.15.4.1  33 , 600 円
 S.15.4.2 〜 S.16.4.1  67 , 300 円
 S.16.4.2 〜 S.17.4.1  101 , 000 円
 S.17.4.2 〜 S.18.4.1  134 , 600 円
 S.18.4.2 〜 以降  168 , 100 円
雇用保険と老齢厚生年金

平成10年の改正までは60歳で会社を定年後雇用保険の基本手当(失業したときに
再就職までの生活保障として受給できる給付)を受給しながら老齢厚生年金
(ただしくは特別支給の老齢厚生年金)を受給できました。
すなわち、両方とも受給できたのです。

しかし、平成10年4月以降はできなくなりました。基本手当が優先されます。

また、老齢厚生年金と調整される雇用保険の給付は基本手当だけではなく、
高年齢雇用継続給付があります。

基本手当との調整

調整は、基本手当を受給した月について「特別支給の老齢厚生年金」は
全額支給停止させるという方法になります。
すなわち、老齢厚生年金の受給権者が求職の申込みを行ったときは、
求職の申込みをした月の翌月から次のいずれかに該当するに至った日の属する月までの
各月について年金の支給が停止されます。

  • 基本手当を受ける期間が経過したとき
  • 所定給付日数に相当する日数分の基本手当の受給を終了したとき
    その期間のことを調整対象期間といいます。

但し、調整対象期間の間に基本手当を受けたとみなされる日が
1日もない月についてはその月について年金の停止は解除される。
また、実際には基本手当を受給していない日でも受けたとみなされる日や準ずる日として年金が
停止されます。具体的には待期、給付制限期間などがそれにあたります。

高年齢雇用継続給付との調整

高年齢雇用継続給付には高年齢雇用継続基本給付金と高年齢再就職給付金があります。

この制度は雇用保険の期間が5年以上ある人が
60歳に到達以後の賃金が60歳到達時等(60歳以後の雇用保険被保険者期間の5年経過日を含む)の賃
金に比べて75%未満に低下していた場合に最高で支給対象月の賃金の15%を給付するという内容のものです。
賃金の低下率が61%未満なら15%、61%〜75%の間ならその低下率によって逓減した割合の
額が給付されます。
ただし、賃金と高年齢雇用継続給付の合計が339,235円(この額は
平成19年8月以降平成20年7月31日まで適用される額)を超えるときは339,235円から
賃金を減じた額が支給されます。

調整の対象は在職老齢年金です。
また、平成15年5月より高年齢雇用継続給付の支給率、要件が改正されましたので
生年月日によっては旧制度が対象になるかたもおられます。
平成15年4月30日までに60歳に達した人は(上の高年齢雇用継続給付の内容も含め)
旧制度が対象になります。

賃金の低下率が61%未満の場合は標準報酬月額の6%が支給停止されます。
低下率が61%以上75%未満の場合は高年齢雇用継続給付の給付率の減少に
あわせて年金支給停止率も6%から減少させていきます。

支給対象月の賃金と高年齢雇用継続給付の合計が339,235円を超える場合は
高年齢雇用継続給付も減額されるため、年金の支給停止額もあわせて減額されます。